ささきあり with happiness

arisasaki.exblog.jp
ブログトップ

<   2016年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

展覧会日和

東京藝術大学大学美術館で開催中の「驚きの明治工藝」展に行ってきました。

私は学生のとき、江戸から明治期にかけて活躍した漆工家であり絵師だった
柴田是真を調べていたこともあり、この頃の工芸品に思い入れがあります。

江戸時代、幕府や大名家のもとで工芸品を作っていた工人が、
明治に入ると後ろ盾をなくし、
国家の殖産興業政策のもと、
内国博覧会や万国博覧会に出品する作品を作るようになります。

日本の輸出品として、海外の人々にうけるものをという目的が示され、
工人たちは持てる技術を注いで、それまでにはないものを生み出していくのです。

私が学生の頃、博覧会用の作品は、今ほど評価されていませんでした。

ですが私は、
世の中が大きく変わったとき、工人たちはどんな思いでいたのだろうと想像して、
少しせつなく、それでいて、新たな創作に挑む姿にかっこよさを感じていました。

今回の展示では、優れた技巧に目を見張りました。
なかでも、本物にしか見えなかったのは、木工芸。
b0231554_21413982.jpg
宮本理三郎の「春日 竹に蜥蜴」。これは明治ではなく、昭和期の作品だそうです。
竹もトカゲも、木を削って彩色したものなんですって。
すごい〜。


藝大の後は、国際こども図書館に、立ち寄りました。

「児童書ギャラリー」には、日本の絵本史と児童文学史が展示されていて、
明治から現代までの子どもの本の歩みが、ざっと、わかるようになっていました。

展示の中で印象に残ったのは、戦中の児童文学を紹介する棚。

1938(昭和13)年、一種の言論統制である、内務省の「児童読み物改善に関する指示要綱」が発表された。
一時的に、芸術的な児童文学が復興する現象が起きたが、
一方で、作家たちは戦争協力の体制を強めていき、
戦中は子どもたちを戦争へと追い込む作品が数多く書かれた。

といった説明がなされていました。

いうまでもなく、こんなことは繰り返したくないです。

b0231554_22272404.jpg
館内の吹き抜けの階段。すてきでした。



[PR]
by arisasaki | 2016-09-30 22:25 | レポート | Trackback

晴れ間

久々の晴れ。
お日様を見ると、気分も晴れ晴れしますね。

我が家のベランダは、フウセンカズラが盛りを迎えています。
b0231554_15404186.jpg
種をいただいて、今年初めて(夫が)育てたのですが、花も実も可愛らしい植物ですね。

公園を歩くと、ヒガンバナが目につきます。
木の陰に、隠れるように咲いているのに、派手な出で立ち。
b0231554_15410132.jpg

ヒガンバナが好きな夫は、
「隠れたいんだか、目立ちたいんだか、わからない花だな」といいながら、愛でています。


居残りカモは、猛暑を越えて、ほっとしたところかな。
b0231554_15522207.jpg

ちょっと深呼吸できた気分。
さあて、エンジンをかけ直しますか。





[PR]
by arisasaki | 2016-09-25 15:47 | 日々のこと | Trackback

「シン・ゴジラ」「君の名は。」

今夏は、映画の当たり年でしたね。
「シン・ゴジラ」「君の名は。」
どちらも、見終わった後、いろいろ考えさせられる映画で、
もう一回、見に行きたいと思いました。

「シン・ゴジラ」は、
政府の危機対策、ゴジラの生態、巨災、人の心情、反応が、
多角的に描かれていて、しかもどこに焦点を合わせても濃密なんですよね。

私が一番心に残ったのは、ゴジラの放射熱線シーン。
流れる曲のせつなさといったら。
「Who will know」というタイトルのこの曲の歌詞を見ると、
ゴジラの思いを表しているのか、
人の思いを表しているのか、
とにかく胸がしめつけられました。

この世では、なにが正でなにが否か、だれも決められない。
そんな思いになりました。

最も惹かれるのは、ゴジラの生態。
どういう体の構造になっているのか。
あれで命は尽きたのか。
いや、ちがうだろうな。
と、とても興味があります。

エンドロールで、長沼毅先生のお名前を見つけたときは、
なるほど〜と、ひとり納得してしまいました。

長沼毅先生は、極限環境の生物の研究で知られる生物学者で、現在は広島大学教授。
ゴジラの生態のアドバイザーとして、協力なさったのでしょう。
ゴジラの生物学的アプローチを聞きたいなあ。

エヴァンゲリオンしかり、
庵野秀明監督は観客に多くの情報とともに、なぞを残し、
考える楽しみを与える作り方をなさるんですね。

児童書の創作では、まいた種を回収しなければ、批判されますが、
庵野作品は、あえて残して娯楽性を広げる創作方法をとっているんでしょうね。
まねしてできるものではないだけに、すごいなあと、ただただ見上げる思いです。

「君の名は。」は、ただの恋愛映画にあらず。
途中から、えっ、そっちへ行くの?という驚きの展開でした。
こちらは感想を言うと、すべてネタバレになってしまうので、あまり書けません。

ただ、どちらの映画も、東日本大震災を経たからこそ、できた映画だと感じます。
観る私たちも、絵空事でなくリアルに感じてしまうのは、震災を体験しているから。
どちらも、そう感じるような演出がなされていますよね。

震災直後、ファンタジーをどう描いていったらいいのか、作り手が混迷したように思いますが、
今夏の映画で新たな道が示されたような気がしています。
[PR]
by arisasaki | 2016-09-16 10:12 | ワンシーン | Trackback