取材に行くため電車に乗っていたら、
雨がどんどん激しくなってきました。
はじめのうちは、雨粒が窓をかすっていくだけだったのが、
しだいに屋根をたたくザザザザーという音と、
窓をたたくポツポツポツポツ……という音の合奏になりました。
その雨音を聴いて、ふと、息子の話を思い出しました。
息子はおじいちゃんちに泊まると、海の夢を見るというのです。
12階にある我が家と違い、父の家は道路が近いせいでしょう。
雨が降る夜、家の前を車が走ると、ザザー、ザザーという音が響きます。
その音を聴きながら眠ると、夢に海が出てくるんだよ、と話してくれました。
取材の日に雨が降ると、いやだなーと思ってしまうのですが、
今日は息子の話を思い出したおかげで、楽しくなりました。
駅を下りてから、カサを鳴らす雨の音を聴きながら歩きました。
取材を終えた後の空。木の枝にいくつか鳥の巣があるようで、鳥の姿が見え隠れしていました。