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花に水をやる。
太陽の光を反射して、水がキラキラひかる。 絶好のゴールデンウィーク日和だ。 と、カサカサと動くものが、目の端に入った。 ベランダの隅でもがくもの。 黒と黄みがかった白のライン模様。 アゲハチョウ……だけど、なんかへんだ。 よく見ると、4枚の羽のうち、上の2枚が折れ曲がっているうえ、 下の2枚がやぶれて、ほとんど失われている。 飛んでいる途中で鳥にやられたのか、 うちより上の階のベランダで羽化したものの、 羽が乾く前になにかアクシデントがあったか、 そのどちらかだろう。 折れた羽をなおしてやろうと、指でつまんでみたが、 乾ききっていて、なおらない。 アゲハチョウをプランターの植物に置くと、 羽ばたこうとして、ぽてっと、落ちた。 バタバタもがく姿は、 なぜ飛べないのか、理由がわからず混乱しているように見える。 そっと、指を差し出すと、必死でつかんできた。 助けて……。 そう言っているように見える。 いや、そうやって勝手な解釈で手をさしのべるのは、人間のエゴだ。 自分の力で食料を得られなければ、死ぬのが自然の掟。 ぼくは、プランターの葉にアゲハチョウを置いて、部屋に入った。 朝食を終え、PCでメールチェックをする。 そういや、アゲハチョウのこと、よく知らないな。 ネットでアゲハチョウを検索した。 日本でアゲハチョウといえば、アゲハチョウ亜科。 ナミアゲハが代表格。 蛹は冬を越すものもあるというから、あいつは、その冬越し蛹だったのだろう。 卵100個のうち、成虫になるのは1個か2個ってことは、 あいつは100分の1ぐらいの確立で生まれてきた希少なチョウなんだ……。 ぼくはまた、ベランダに出た。 プランターの土の上に、ひっくりかえったアゲハがいる。 飛ぼうとして、ひっくりかえったのだろう。 指を差し出すと、また必死につかんでくる。 なんで、わたしは飛べないの? そう問いかけているようだ。 いや、そう思うのは、自分に重ねて見ているからだ。 思うようにはいかない日々、羽ばたけない現状をもどかしく思っているからだろう。 自己愛の強さに半ばあきれつつ、ぼくはアゲハチョウを部屋に入れた。 アゲハチョウの飼育方法に、ハチミツ水を与えるとあったが、 ハチミツがないので、砂糖水をつくってコットンにひたす。 コットンの上にアゲハチョウを置くと、するすると、ストローをのばして吸い始めた。 しばらくすると、お腹がぷっくりふくれたように見えた。 背中もつやつやして、元気そうだ。 部屋に置いてあるパッションフルーツの葉にのせると、 つかまりにくいようで、ぽてっと落ちた。 つまみあげて見ると、やぶれた下の羽の一部が脚にくっついている。 「このせいで、歩きにくいんだな」 ぼくは脚についた羽をとりのぞき、チョウをプランターの添え木の上にある軍手にのせた。 今度はつかみやすいようで、ひょこひょこ軍手の上までのぼり、 深呼吸するように羽を開いたり閉じたりした。 正確には、羽が折れ曲がっているせいで、しっかり閉じることはできないのだけど。 部屋で飼育されることを、アゲハチョウが望んでいるかどうかはわからない。 でも、これもなにかの縁ということで、つきあってもらおう。 こうして、ぼくとアゲハチョウの同居がはじまった。 つづく
by arisasaki
| 2015-05-06 11:15
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