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取材のしかた

先日、庭時計で、わたしの取材のしかたについて話させていただきました。
取材は出版社に就職してからはじめたことだと思っていましたが、
振り返ってみて、基本は学生時代に学んだのだと、気がつきました。

文化人類学のフィールドワーク、日本美術史の論文の書き方とも、
できるだけ信頼性の高い情報を得て、
実際に現場、現物を見るというものでしたから。

当時、教授はよく「孫引きをするな」と話していました。
ほかの人の論文に書かれた引用文をそのまま引用してはいけない。
書き写す時に間違えていることもあるわけで、
必ず原文を探して確認するように、という意味です。

これって、ネットで調べるいまこそ、大事なことですよね。
引用を重ね、なにを根拠にしたのか、わからない
という情報が出回っていますからね。

今回は学生時代に学んだ内容にはじまり、
わたしがフリーランスになってからした仕事のあれこれを示しながら、
この記事ではどんなことに焦点を絞って取材しているか、
雑誌で求められること、ノンフィクションで必要なことなど、
媒体ごとに異なる視点、気をつけていることなどを話しました。

振り返る機会をいただけたことで、自分の仕事を整理できました。
本当にありがたかったです。

それと、物語を書く上では、目的のないインプットが大事ですよね。
わたしが毎年、楽しみにしているのは、東京藝術大学の卒展・修展です。
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斜め上いく発想が刺激的なのです。
見ていると、頭の中でぼんやりとイメージが浮かんできたりして、
わたしにとっては、大事なものになっています。

あと、ここ数年注目しているのは、深海生物。
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葛西臨海水族園で「深海」をテーマにした展示をしていたので、
行ってきました。

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写真の上から2番目の「ラブカ」は、
「シン・ゴジラ」の第2形態のモデルになったといわれているんですよね。
はじめて生で見ました。
スタッフの方が「ぜひアップでも撮ってみてください」と言ってくださったので、
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歯のかたち、おもしろいですね。
このあごで、ガブリとやられたら、簡単には逃げられないでしょうね。


1月末から2月にかけては、
仕事の打ち合わせをしたり、
日本児童文芸家協会の活動をしたり、
確定申告の書類を作ったり、あたふたしてました。

計算はほんと苦手で、ヘンな力が入るのか、首・肩こりがマックスに。
いただいたチョコレートで、一息つきながら、作業しました。

横浜土産、霧笛楼のチョコレートケーキ。濃厚!
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ゴディバのチョコレート。
錦鯉のパッケージ、チョコのデザインがオシャレ。
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2月もあっという間に過ぎるのでしょうね。
インフルエンザも流行っていますし、
みなさま、お体大事になさってくださいませ。





by arisasaki | 2019-02-03 11:15 | レポート | Trackback

Q部発売ライブ

ささきかつお著『Q部あるいはCUBEの始動』(PHP研究所)
発売ライブを行いました。
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わたしたち夫婦は無名に等しい作家ですので、
本が発売されても、わっと売れるわけではありません。

書店の棚で、ぽつんと、背中を向けてたたずむ自著を見かけては、
「ふがいない作者で申し訳ない。いい人に買ってもらうんだよ」
と、そっと背中をなでております。

そんなわたしたちを「応援してやろう!」という心意気のみなさんが、
ライブにかけつけてくださいました。

ありがたや、ありがたやと、拝む気持ちで、
バンドの先輩方をはじめ、来場してくださった方々をながめました。

もしもわたしが先に他界したとしても、
これだけの人が夫を支えてくださっているのなら、安心だ、とも思いました。

みなさま、本当にありがとうございました!

ライブの模様を、バンドメンバーの奥様が撮影してくださいまして、
一部をささきかつおのブログにアップしました。
ご高覧いただけましたら幸いです。







by arisasaki | 2018-12-17 10:50 | レポート | Trackback

出版のお祝い会と陶芸展

ひろいれいこさん初出版のお祝い会がありました。
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『月あかり洋裁店』(ひろいれいこ作 よしざわけいこ絵、PHP研究所)の
主人公は夢が思うように叶わず、心が折れかけます。
しかし、ある出会いから、新たな夢に向かって歩みはじめるのです。

この主人公は、まさにひろいさんご自身だと、
ひろいさんを知るみんなが思って読んだストーリーでして、
それだけに、ひろいさんのデビューを心から祝福する方々が集まりました。
ひろいさんのお人柄を表すような、あたたかい会でしたよ。

その後は、作家仲間の長井理佳さんがオーナーをつとめる庭時計へ。
佐々木直美さんの作陶展を見にうかがいました。

すてきな器や鉢、置物が並んでいて、わあ〜!
あれもこれも欲しくて迷いまくりましたが、こちらの方々をうちにお迎えしました。
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佐々木直美さんの作陶展は、11月21日(水)まで開催中です。
(下の写真は、庭時計のホームページよりお借りしました)

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by arisasaki | 2018-11-18 11:25 | レポート | Trackback

災害時の心のケア

遠出してました。
神戸取材のついでに、愛知にも立ち寄ったりして。

犬山城。
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城山の中腹にある、三光稲荷神社。
縁結びの御利益もあるそうで、若い女性の参拝が多かったような。

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そして、神戸。
訪れたのは、人と防災未来センター(写真の左と中央の建物)。
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1995年の阪神・淡路大震災の経験と教訓をもとにした展示から、
台風や洪水などの自然災害、東日本大震災の記録資料や映像、
そして減災のための知恵など、広く知ることができました。

人間も自然の中にある存在。
自然はコントロールできるものではない。
災害をなくすことはできないけれど、知見をもとに減災はできるはず。
そういう考えがひしひしと伝わってくる内容でした。

建物の壁には、南海トラフ巨大地震で想定される津波の最大水位(34.4メートル)が示されていて、
その高さにひるみました(赤い色で示されているところ)。
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数字だけより、こうして示してあると、実感できますね。

そのあと、となりのJICA関西で開催された、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン主催
「今、災害支援の現場で求められているもの 〜子どものこころのケア〜」
のシンポジウムを拝聴しました。

具体的な方法は、「子どものための心理的応急処置」を参考になさってください。

災害時の心のケアはもとよりボランティア活動も、押しつけると「害」になってしまう。
「何でもやります!」という姿勢は「害」になりがち。
まずは様子をよく見て、必要としていることを推し量り、
無理やり聞くのではなく、相手の言葉に耳を傾けること。
気の利いたことを言おうと思うのではなく、耳を傾ける。
あとは、そのニーズに対応できる支援者に「つなぐ」ことが大事。

といったあたりが、一番参考になりました。

励まそうとして言うことが、被災者にとっては「害」になりがちということも、
しっかり胸に刻んでおこうと思いました。


厚生労働省委託事業として、
災害派遣精神医療チームDPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team)
という組織があるというのも、初めて知りました。

DPATは、自然災害や航空機・列車事故、犯罪事件など集団災害の後、被災地に入り、
精神的医療や精神保健活動の支援を行う専門的なチームだそうです。

精神面のケアというのは後回しにされやすい分野ということですが、
実際に災害現場に入って必要を感じた人たちが声をあげ、
日ごろから訓練等をして備えてくださっていることに、感動しました。

心のケアについては、今後も関心を持っていこうと思っています。










by arisasaki | 2018-11-12 11:48 | レポート | Trackback

「上野の森親子ブックフェスタ」盛況でした〜。

わたしはサインセールを行ったテントに1時間ほどしかいられなかったのですが、
本を手にとって見てくださったり、最初から最後までじっくり読んでくださったり、
そして、購入してくださった方もいらして、うれしかったです。

とくに、ある男の子が夢中になって読んでくれたのが、うれしかったなあ。
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午後は国際こども図書館で開催した講演会「『赤い鳥』を学ぶ」
のスタッフとしての仕事があったためテントから離れましたが、
その間に、昨年、拙著をご購入くださった方が、またテントにいらしてくださったと聞きました。

とーってもうれしかったです。
ありがとうございました!
また、お会いできますように。

そしてなにより、このイベントの運営スタッフのみなさまに大変お世話になりました。
実に多くの方々が、準備から関わっていらっしゃるのです。
無事に開催できたのは、そうしたみなさんのご苦労あってです。
本当にありがとうございました。
また来年、よろしくお願いいたします!

作家仲間の穂高順也さんと。
穂高さんの「金ウン」を触らせていただきました。御利益あるかな〜?
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by arisasaki | 2018-05-06 12:48 | レポート | Trackback

水の中の八月

東京国立近代美術館で開催中の
「自選シリーズ 日本の映画監督6 石井岳龍」のうち
『水の中の八月』を観てきました。
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隕石の飛来や水不足、"石化病"という奇病の流行が重なった夏。
飛び込みの優秀な選手である泉が、競技中に石化病にかかり生死を彷徨う状態に。
命はとりとめたものの、精神状態がおかしくなっていき……。

自分の細胞と、木や土などほかの物質との境目がわからなくなっていく、
という泉の台詞に共感を覚えました。
人間は地球と同じ成分でできていることを思うと、
地球が訴えていることを細胞レベルで感じられる人もいるかもしれない。

けれども、そうしてどんどんちがう世界へ行ってしまう彼女を
どうにかして自分の世界にとどめたいと思う彼の気持ちもわかって、
せつなかったなあ。

石井監督ならではの音や風景カットで、
躍動や不安、不穏がダイレクトに伝わってきました。
これは映画館でないと、味わえないですね。

「インナーSF」と位置づけられている作品。
後年作『シャニダールの花』に通じるものを感じました。



映画を観た帰り、「Hanako」30周年のラッピングバスを見かけました。
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20年ほど前の数年間、私は「Hanako」のライターをしていました。

最初に勤めた出版社を辞めてフリーランスになってから
「Hanako」にお世話になり、多くのことを学ばせていただきました。

一時期ほかの雑誌の編集者になったものの、うまくいかず、
出版に向かないのかもと諦めかけていたときに、
また「Hanako」の編集者さんが声をかけてくださって。

かなり自信をなくしていた時期だったので、
声をかけてもらわなければ、出版から離れていたと思います。

あれから、いろいろな出版物に関わらせていただきましたが、
「Hanako」の経験がなければ、それもなかったことでしょう。

出版不況で、なかでも雑誌が最も苦境に立たされているなかで
30周年を迎えるというのは、本当にすごい!

おめでとう「Hanako」
そして、ありがとう。





by arisasaki | 2018-03-24 21:40 | レポート | Trackback

ボンボとヤージュ

神保町のブックハウスカフェで、
ザ・キャビンカンパニーさんの読み語りイベントがありました。

『ボンボとヤージュ』(学研)の刊行キャンペーンとして、
全国の書店を巡っている最中なんだそうです。
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ボンボとヤージュの誕生は、いまから9年前。

ザ・キャビンカンパニーのおふたりがユニットを組み、
どんな絵本を描こうか?と考えたなかで
生まれたキャラクターだそうです。

しかし、キャラクターはいても、ストーリーにならず、
何度もラフを描き直して、ようやく絵本になったとのこと。

今日のイベントには、大勢のご家族がいらしていました。
お子さんたちは、キャビンさんのこれまでの絵本をすべて暗記しているようで、
ページをめくる前に次の展開を言っていましたよ。

こうした素地ができるのを、ボンボとヤージュは待っていたのかも……。

いつも思うのですが、
ストーリーには世の中に出るタイミングがある気がします。

作者自身が様々な経験を重ねるなかでストーリーが熟成されたり、
世の中の嗜好性がそのストーリーを求めるものになるなど、
いろいろな要素が重なったときに、世に出るように思うのです。

『ボンボとヤージュ』は、キャビンさんらしい既成概念を吹っ飛ばす冒険の絵本です。
不思議な景色のなかに、絵探しや迷路もあります。
おまけに、カバーの裏は、地図になっています。
大人も子どもも指をさして、わいわい言いながら楽しめるんです。

わたしも脳内冒険で、リフレッシュできました!

なお、
キャビンさんの『しんごうきピコリ』が日本絵本賞にノミネートされているそうです。
投票は2月28日まで。




















by arisasaki | 2018-02-11 17:14 | レポート | Trackback

ぼくの友達

演劇『ぼくの友達』を観てきました。
出演:辰己雄大(ふぉ〜ゆ〜)、香寿たつき、田中健
作:ジェイソン・ミリガン 翻訳:小田島恒志 演出:元吉庸泰
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広大な敷地に家を構えるマフィアのボス・フランキーを、見知らぬ青年トニーが訪ねてくる。

というシーンからはじまるストーリー。

前半は、青年トニーが何者なのか、なにが目的で来たのかがわかるまでのミステリー展開。
フランキーとトニーの駆け引きにどうなるんだろうと、前のめりになります。

後半は、トニーの命をかけた疾走感あふれる展開。
絶体絶命のピンチをどう切り抜けるのか、手に汗にぎります。

緊張感と、必死さゆえのコミカル感に
ドキドキ、ハラハラしたかと思えば、くすくす笑い、
観る者の感情を次々に変える舞台でした。

クライマックスで青年トニーがなぜここまで必死なのかがわかったときは、
そうだったのか……と少し自分を重ねる気持ちになり、
フランキーと妻が青年に「賭」ける思いにほれぼれしました。
(私の感覚では、懸けるよりも、賭けるのほうがしっくりきました)

緩急のある展開にぐいぐい引き込まれ、
あっという間の1時間45分でした。

公演は2月4日まで、だそうです。


by arisasaki | 2018-01-13 12:45 | レポート | Trackback

授賞式

児童ペン賞の授賞式がありました。
児童ペン賞・ノンフィクション賞をいただきました。

これを機に、大槌のみなさんにより多くのエールが注がれますよう願っております。

なお、他の受賞作は下記のとおりです。
童話賞:楠章子さん『ばあばは、だいじょうぶ』(童心社)
詩集賞:なんばみちこさん『とっくんとっくん 大空で大地で』(銀の鈴社)
絵本賞:すとうあさえさん『十二支のおもちつき』(童心社)
少年小説賞:工藤純子さん『セカイの空がみえるまち』(講談社)
童話集企画賞:同人・花『ワニと猫とかっぱ それから……』(神戸新聞総合出版センター)

また、児童ペンは書きたい人を応援する活動をされていて、
今年度の「児童ペン新人賞」の贈呈も行われました。
受賞されたみなさま、輝いていらっしゃいましたよ〜。

児童書が好きで、本の力を信じる人たちが集う会でした。
私もたくさんのエネルギーをいただいたので、次作に注ぎます!
みなさま、ありがとうございました。
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by arisasaki | 2017-12-02 15:32 | レポート | Trackback

やさしくなあに

伊勢真一監督のドキュメンタリー映画
を観ました。

家族の葛藤も悦びも不安もそのままに記録された映画に、
ドラマ「北の国から」を観たときに感じたような、
小さな痛みと、いとおしさと、ぬくもりを感じました。

奈緒ちゃんは、「善良」しか持っていない人です。
だれも傷つけず、明るく笑わせることしか言いません。
そんな奈緒ちゃんのそばにいると、
みんなあたたかく、やわらかい気持ちになります。
でも、そう単純には表せない思いを、家族それぞれが抱えていて……。

「やさしくなあに」というタイトルは、
奈緒ちゃんのセリフからとったものです。

家族が口論になったとき、友だちがケンカをしたとき、奈緒ちゃんは
「やさしくなあにって言わなくちゃ」と、言うのです。

奈緒ちゃんにとって、みんなは大好きで大切な人。
だから、争ってほしくないのでしょう。
みんなも本当は互いを大事に思っているのに、
どうして心の中にあるやさしさを出さないの?
やさしい気持ちはどういう風に表すの?
と、問いかけているように感じました。

実は、奈緒ちゃんは赤ちゃんの頃、
医師にそう長くは生きられないと告げられていました。

天真爛漫な奈緒ちゃんがいる悦びと幸福。
いつ奈緒ちゃんを失うかという不安。
家族の複雑な思い、緊張感、安らぎが淡々と映し出されます。

単純にはいかないけれど、
家族っていいな、生きるっていいな。

と感じると同時に、

どうして、人類は「善良」だけを持つ生物になれなかったんだろう。
奈緒ちゃんは、奇跡の人なのかな。

なんてことも、思いました。

広く見てもらいたい映画です。














by arisasaki | 2017-11-09 22:30 | レポート | Trackback