『おならくらげ』
作/ささきあり 絵/ザ・キャビンカンパニー (フレーベル館)

小学2年生のヒロキは学校でのろまといわれて、しょんぼり。
くよくよしながら おふろに入っていると、
おならが ぶぷう!
そこから出てきたのは……!?
この物語は、10年前に創った作品がもとになっています。
とはいえ、残っているのはアイディアだけで、まるっきり違う物語です。
編集担当さんのアドバイスのおかげで、生まれ変わることができました。
これまで編集担当さんのもと、
チームおならくらげ、略して「チームOK」として、
ザ・キャビンカンパニーさんや、
デザイナーさんといっしょに、アイディアを重ねてきました。
ザ・キャビンカンパニーさんは、私が文にしていない、
クラスメイト全員のキャラクターも作り込んで、
物語の世界を何倍にもふくらましてくださいました。
本、帯のデザインとも凝っていて、
装丁好きとしても、うれしい仕上がりです。
営業さんがポップも作ってくださったそうです。
まさに、みなさんに育ててもらった「おならくらげ」。
いよいよ大海原に泳ぎ出します。
みなさんのもとにたどりついて、
そっと心に寄りそってくれたらいいなあと、願っています。
11月25日頃から、書店に並ぶ予定です。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
「エンタメアワー おもしろインタビュー 忽那汐里さん」の記事を書きました。

うかがったのは、忽那さんが主演された映画「海難1890」(12月5日ロードショー)について。
この映画は2つの史実をもとに、製作されています。
ひとつは1890年、トルコ初の親善使節として日本にやってきたエルトゥールル号が、
帰国途中、台風に遭って沈没。
和歌山県串本町の村民がトルコの乗組員を救助、看護したという史実。
もうひとつは、1985年、イラクとイラン双方による爆撃が開始され、
「これから48時間後イラン上空を飛ぶ航空機を無差別攻撃する」と、イラクが宣言した際、
イランの首都テヘランに取り残された日本人のために、
トルコが救援機を出して救ってくれたという事実。
映画全編にわたって人が人を思う、善意が描かれます。
この世の中、善意だけではやっていけないのかもしれませんが、
それでも善意で関係を築きたいと思う人は少なくないでしょう?
映画はエンターテイメントですから、当然脚色されていますが、
根本にある、日本とトルコの人々が互いを助けたのは事実。
この世の中、捨てたもんじゃないと思える、後味のいい映画でした。
「日本とトルコは友好関係を築きましたが、他の国に置き換えたら
どうだろうか、ということを考えてみてほしい」と、忽那さんは話していました。
ぜひ家族で見に行ってほしいです。
続いて11月8日掲載、「きょうのなぜ? なぜインフルエンザにかかる?」も書きました。
イラストは、うちやまだいすけさん。

地球上からインフルエンザウイルスをなくすことは、現段階では不可能です。
ですが、国立感染症研究所の渡邉真治先生によれば、
「最近の研究から、インフルエンザウイルスに感染しやすい人がいることがわかってきていて、
人の遺伝子を調べることから、感染に関わる遺伝子を明らかにする研究も始まっています」
とのこと。
アプローチを変えれば、
人と病気のつきあい方(病原体との共生のしかた?)も変わるのかもしれませんね。
どちらの記事とも毎日新聞のサイトでも読むことができます。
それから、メイトの保育絵本「すきっぷ」12月号に「かさじぞう」が掲載されました。
立体制作/はっとりみどりさん、高田栄一さん、中島敦子さん。撮影/大畑俊男さん

文を書くにあたっては、むかしばなしの語り口調を大事にしました。
フエルトなどの立体が緻密で、
ドールハウス好きとしてはたまらない作品です。
撮影のライティングも絶妙で、雪降る夜の感じや、家の灯りのあたたかみなど、
情緒があって惹き付けられます。
おなじみの昔話でも、表現方法が異なると、印象ががらりと変わるのがおもしろいですね。